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マッチの解説
| 1.軸木
| 2.小箱
| 3.商標
| 4.箱詰
| 5.薬品
| 6.関係燐寸会社の概要
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1.軸木(じくぎ)
(1)原木
(社)日本マッチ工業会が昭和25年(1950年)に発刊した 『燐寸(マッチ)要覧』 によると、
大正初期から昭和3年ごろまでの軸木は、沿海州(現在の極東ロシア)の白楊(はくよう)が約90%、北海道産
・樺太(からふと)の白揚およびドロの木が、約10%の割合で、輸入材の多くは、兵庫県内(主として神戸市内)の製軸(せいじく)工場で加工されたようである。
一方、昭和40年(1965年)の 『燐寸(マッチ)工業統計総覧』 には約30%が国内産となっている。いずれにしても、輸入材が多くを占めていた。
(2)軸木の寸法
軸木の長さ1寸7分(51o 長さ)、軸木の太さは次の3種がある。
細軸 5厘軸(1.5o 角)
中軸 6厘軸(1.8o 角)
太軸 7厘角(2.1o 角)
当時は寸法の呼称は全て(尺・寸・分・厘)であった。
田中燐寸製造所の製品は細軸が多い。細軸は明治33年大阪公益社の井上貞次郎氏が
始めたもので、中国等の需要者の喜ばれ、大いに輸出の振興に寄与した。
因に大正4年製造の「双鹿印」のマッチの入本数を数えると、89本入っていた。
(3)軸木の包装
兵庫県内および北海道で製造された軸木は、軸を揃えて直径3寸3分(約10cm)の束
にして藁(わら)で括られ、兵庫県内では約400束〜500束、北海道では400束〜720束
(軸の太さにより異なる)の俵(たわら)詰めにして、各工場に送られた。
また、軸木の取引計算は1000束単位であり、昭和時代になると俵単位であった。
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